普段、車いす生活をされているT様。久しぶりに実家に帰られた時のことです。
その時の様子をお聞きすると、「地元の友人が集まってくれたりしてとても楽しかった、けれども、家の中の段差を超えるのが大変で・・・。」とお話ししてくださいました。車椅子では通れず、歩いて段差を越えなければならない場所がいくつかあったようです。
通所ご利用時に4点杖を使用した歩行訓練を行っていましたが、段差昇降訓練は実施していませんでした。そこで、次回実家に帰った時にはもっと生活しやすいように段差昇降も訓練として行う提案をしたところ、「怖いけどやってみる。」との言葉を頂きました。
最初はふらつきが多く、転倒のリスクが高い状態でしたが、徐々に慣れていき軽介助にて段差昇降が可能となってきました。ご本人もこれには感動しており、「私もまだ新しいことが出来るのね。」と言われ、住まわれている自宅内でも段差を超える練習をご主人と行い始めたようです。
更には、「自分で変わらないと何も変わらない。」と、上衣更衣動作も今までは要介助にて行われてきたのですが、ご自身のみで行うことが増えてきたようです。「上着を自分で着たら、夫と娘がすごく喜んでくれた。私も嬉しい。」
もともと実施されていた調理はさらに熱心に取り組んでおり、ご自宅でもご家族にふるまっているようです。
目標が一つ達成されることで他の事に対しての意欲も湧き始め、また新たな目標を見つけ出す、この事に対し私たち職員も一緒に取り組み、ご利用者様の生活の質の向上に役立ちたいと思います。
