喘息があり「喘息があるからやめとこうかな」。これがK様の口癖でした。
ある時、ご利用者の方々が釣りの話に花を咲かせていると、いつの間にか引き寄せられたK様。
気付いたら参加者になられていた様です。
いつも献身的に介護されている奥様。病状もありいつも心配されていましたが、「自宅に帰ってから、釣りの話をよくする様になって、夫の顔がイキイキした表情になり顔が変わってきたんです。是非参加させてあげてください」と奥様から嬉しいお話も聴けました。
50年ぶりの釣りということで、投げる練習も行いました。「こいでどうかなぁ~、こうだったかな~」と試行錯誤しながら50年前の記憶を辿りながら練習されていました。
当日は練習の成果でしょうか、少しずつ感覚を取り戻しとても50年ぶりとは思えない投げっぷりでした。魚には恵まれませんでしたが、投げた回数は確実にNO.1!
昼ごはんの後も、誰よりも先に竿を握り最後まで諦めずに頑張られていました。
「海に来れただけで良かった。潮風に当たるだけでいいよね」と、久しぶりの海を満喫された様子。
「こんな喘息もあるのに連れてきてくれてありがとう」
いつもの消極的な発言や姿は見られず、病気があっても楽しもうとされる素敵な姿がそこにはありました。
「~があるからできない」を、「~があっても楽しめる!」に変化した瞬間にご一緒できたことは何よりの経験でした。また行きましょう!
「変化に感謝」